有楽町の駅を出て、山手線の線路を新橋方面にしばらく行くと、ガード下の狭いスペースで居酒屋が営業宇しているのをご存じだろうか。

ドイツ料理の名店の「バーデンバーデン」の近くに、線路の下を通行できるようにトンネル上のガード下が存在しており、その両側に、もつ焼きを売りにしている居酒屋が1軒ずつある。

そのうち、有楽町側の「もつ焼き ふじ」は学生時代の恩師の行きつけの店であり、学生の頃は何回も通ったお店だ。どういうわけか、てっきり土曜日が休みだと思い込んでおり(…今思えば、なんの根拠もない…)しばらくお邪魔していなかったが、先日、土曜日も営業していることがわかり、伺ってみた。

「もつ焼き ふじ」の看板

この看板、なかなか味があって「The ガード下」の趣である。

ホッピーの赤提灯


そして、赤提灯には「ホッピー」の文字が!「もつ焼き ふじ」も、お隣のお店も店先の焼き台でもつ焼きを焼いているので、お店が混雑しているとき、ガード下はかなり煙が充満して、たまたま通りがかった人がとても煙たそうな表情で通り過ぎていく。

「もつ焼き ふじ」のつくねの塩

正直、「もつ焼き ふじ」のもつ焼きは、どれもクオリティが高いと思う。臭みのない、ジューシーなモツを焼き上げて、あっさりとしたタレを付けたモノはビールによく合うし、チューハイやハイボールとの相性も最高だ。ただ、串の種類はさほど多くないので、「もつ焼き、全部」ってオーダーも可能だし、もしかすると、そういうオーダーがこのお店の醍醐味かもしれない(笑)

…そして、ここだけの話だが、特に「つくね」がすごい。「つくね」というと、タレのイメージではあるが、「もつ焼き ふじ」では、敢えての「塩」がオススメだ。

つくね、というと、例えば、噛みしめるつくねというのもあるかもしれないが、「もつ焼き ふじ」の塩つくねは、串から外して口に放り込んで、自然にほどけていく感じがの「つくね」を体験できるのである。「エアインつくね」と命名したくらいに絶妙な空気感というか、食感なのである。手作りなので、本数があまり作れないような気もするので、ファーストオーダーで「塩つくね」を頼みたいところだ。

「もつ焼き ふじ」の煮込み

さて、「もつ焼き ふじ」のもう1つの名物が「煮込み」。もつ焼きが美味しいお店で、煮込みがハズレることはほぼないというのが個人的なジンクスだが、こちらの煮込みもそのジンクス通り。味が濃すぎるでもなく、薄すぎるでもなく、きっちりとつまみとして成立していて、次々と箸が進んでしまう。「もつ焼き ふじ」の煮込みは人数分のオーダーが基本とも言える。

ただ、惜しむらくはお店の面積が広くないので簡単に混んでしまうところ、かもしれない。

もつ焼 ふじ居酒屋 / 日比谷駅有楽町駅銀座駅

夜総合点★★★★ 4.0




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